ミステリー作家として活動している芦沢央(あしざわ よう)さんについて、ピックアップしていきたいと思います。
いままでに多数の傑作ミステリー小説を世に放ってきていた、芦沢央さん。
2020年下半期の直木賞候補に『汚れた手をそこで拭かない』でノミネートされました。
因みにこのときの受賞作品は、西条奈加さんの『心淋し川』で、候補者にはあの加藤シゲアキさんの『オルタネート』が入っていたのでした。
そんな芦沢央さんとは、どういったプロフィールの持ち主だったのでしょうか。
これからさっそく、芦沢央さんの経歴を確認していくこととしましょう。
一方、芦沢央さんといえば、発表してきた小説は、チェックしておきたいところ。
そこで、この記事では、芦沢央さんの小説のうち、おすすめの作品や、映画化された作品をご紹介していきたいと思います。
また、芦沢央さんの小説のうち、代表作の感想や評価も取り上げていきますので、ご覧ください。
芦沢央の経歴
芦沢央さんは、1984年2月13日、神奈川県の出身で、現在の年齢は40歳となっています。
スティーヴン・キングが目標とする作家、小野不由美さんが感銘を受けた作家だという、芦沢央さん。
そんな芦沢央さんは、千葉大学文学部を卒業後、出版社に勤務しながら、作家をめざして文学賞に挑戦していき、とうとう、2012年に、『罪の余白』によって、野性時代フロンティア文学賞を受賞して、ミステリー作家としてデビューをはたしたのでした。
野性時代フロンティア文学賞の選考では、魅力として、切り札の多さを挙げられたほか、エネルギーがあるとも評されています。
その後、芦沢央さんは、次第に実力を発揮していって、文学賞レースの常連となっていくことに。
2015年には、『許されようとは思いません』で日本推理作家協会賞にノミネート。
同名の短編集『許されようとは思いません』で吉川英治文学新人賞にノミネート。
さらに、同作は、『週刊文春ミステリーベスト10』で7位、『このミステリーがすごい!2017年版』で5位を記録したのでした。
ほか、2018年には、『ただ、運が悪かっただけ』で日本推理作家協会賞にノミネートされ、2019年には、『火のないところに煙は』で山本周五郎賞にノミネートされています。
が、これまでに芦沢央さんが発表してきた小説は、まだまだ多数に渡っていました。
2013年には、『悪いものが、来ませんように』。
2014年には、『今だけのあの子』。
2015年には、『いつかの人質』。
2016年には、『雨利終活写真館』。
2017年には、『貘の耳たぶ』、『貘の耳たぶ』。
2018年には、『火のないところに煙は』。
2019年には、『カインは言わなかった』。
そして2020年には、『僕の神さま』、『汚れた手をそこで拭かない』が刊行されています。
さらに2021年に『髪の悪手』、2022年には『夜の道標』というふうに、芦沢央さんは、2012年のデビュー以来、2022年に至るまで、毎年、新作を発表していますから、たいしたものでした。
タイトルがみんな独特な感じなのも、興味深いことですよね。
文壇における評価も高いですので、今後が楽しみな作家だといえるでしょう。
また、芦沢央さんは、『宮崎美子のすずらん本屋堂』、『王様のブランチ』といったテレビ番組への出演もしていました。
2023年も単行本未収録作品が書かれていますし、これからも、芦沢央さんの毎年刊行記録の継続を応援していきたいものです。
芦沢央のおすすめ小説
ここまで芦沢央さんの作品を見てきましたが、もっともおすすめしたいのは、デビュー作の『罪の余白』ですね。
大学講師の男が、高校生の娘が学校で転落死を遂げ、苦悩していくなか、実は娘の死に関与していた娘のクラスメイトの女子生徒が現れ、2人は、異なった目的のもと、戦っていく…というストーリーでした。
もっとも、各種文学賞にノミネートされたほか、ミステリーランキングにも多数取り上げられた『許されようとは思いません』も見逃せません。
両方、目を通しておきたいところです。
芦沢央の映画化作品一覧
芦沢央さんの作品のうち、2023年5月現在、映画化されたものは、どれだけあったのでしょうか。
それは、まだ『罪の余白』のみでした。
映画『罪の余白』は、2015年、大塚祐吉監督作品として、内野聖陽さん主演で公開されています。
とはいえ、今後、芦沢央さんの作品の映画化は続いていくのではないでしょうか。
注視していきたいですね。
芦沢央の代表作の感想や評価
芦沢央さんの作品の代表作は、やはり、総合的にみて、『罪の余白』ということになるでしょう。
子供の死の真相を親が追うという展開は、湊かなえさんの『告白』など、他にも例があります。
しかし、親が子供を死に追いやった当事者と、思惑を別にして戦っていくとは、斬新でしょう。
また、作中では、主人公の娘の死をめぐる心理描写を過度に行わないという、これまためずらしい試みもなされていました。
芦沢央さんの才能を痛感するとともに、新作への期待を膨らませざるを得ません。
芦沢央さんは、ミステリー作家のなかでも、かなり将来有望な人材といえそうです。
毎年、新作が出ている以上、気が早いですが、2023年・2024年の新作も楽しみですね。
また、第164回直木賞で叶わなかった受賞も今後考えられます。
あわせて、さらに、芦沢央さんの評価が高まって映画・ドラマ化、ひいてはアニメ化されることも期待していきましょう。