第16話 スタイリストの収入

 

 

 

 スタイリストの給料は、固定給ではなく歩合制が普通である。

 

 売上が増えれば給料が増えるこの仕組みのおかげで、お客さまの来店が自分の生活レベルの向上と比例しているという事実をスタイリストは日々実感することができる。

 

「自分の大切なお客さまだ」という感謝の念も育まれ、おのずと施術やサービスにも力が入る。

 うしろ姿が見えなくなるまで延々と客を見送るスタイリストもいるが、あれは本心の行為なのだ。

 

 

 スタイリストの売上と給料のあいだには、実績に応じて、歩合が決められている。デビューしたての新人は10パーセントに満たないところからはじまり、売上が上がってくるにつれて、20~30パーセントの水準になっていく。

 

 このパーセンテージは、会社側が検討し決定するものなので、もっと上げてほしくてもその数字を受け入れるしかない。

 

 年功序列で給料が上がる業界ではないが、勤続年数にしたがって数パーセントずつ上がっていくという制度をもうけている美容室も多いだろう。

 15年にわたり同じ美容室で働き、かつ高い売上をたたき出し続けている——なんていうスタイリストの月収は3ケタ越えもありえる。

 

 スタイリストの取り分が不当に少なく見えるかもしれないが、会社にも言い分はある。家賃や光熱費、さらにスタイリスト以外の人件費もすべて会社の負担なのだ。

 

 店にいるシャンプーボーイ、アシスタント、レセプショニストだけでなく、本社オフィスのスタッフ(細かい事務処理や、届け出などを代行してくれる)、それにオーナーもいる。

 ヘアサロンの営業が多くのスタッフの力で成り立っていることを忘れるわけにはいかない。

 

2011年11月12日

おわり

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